暴走書家

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『問題の問題-2-』

 色々と、高校以外のところで遊んでいるように思うかもしれないけれど、勉強はきちんとしてますよ。
 成績だって、トップクラスだし。
 スポーツにはそれ程力を入れていないけれど、一応、野球部があったんで、そこで、真面目に部活動をしてたりします。
 決して運動音痴な訳でもないんだけれど、やっぱり、レギュラー取りは無理でした。

 でも、それでもいいんです。
 練習はさせてくれるし、紅白試合ならかろうじて出させてもらえるし、何より、運動を部活を続けると事に意味があるんだから。
 普段の部活で、カラダを動かせていれさえすれば、試合に出られなくたって。
 試合は、ベンチから盛り立ててみせます。
 それが俺には合ってるんだから。

 進学校で、それなりに受験対策もしてくれるけれど、予備校にも通ってました。
 家で勉強するより、断然身が入るんです。
 勉強好きだけど、どうして、家だとここまで出来ないんだろう。
 予備校の授業だと、周りも皆、緊迫して勉強しに来てるんだろうし、そういう授業の雰囲気に飲まれちゃうんですね、きっと。
 んでも、授業が終われば、そこで出来た友達と、色々話したりもしてました。

 そんな感じで、高校生活にも終わりを告げ、大学へと進んでいく訳です。
 あれだけ勉強したあって、ちゃんとド本命に受かる事が出来ました。
 勿論、大学が最終地点でないのはわかってます。
 それでも、大きな山の一つだったんです。
 俺も、勿論嬉しかったけど、両親の方が、よっぽど嬉しかったみたいで、親戚に自慢の報告をしてました。
 正直それをされると、俺の方が恥ずかしかった。

 そして大学ライフが始まりを告げました。
 新たな出会いを求めて!……なんて無理なのはわかってます。
 大学は大学で、友達が出来れば、それでいいんです。
 それなりに友達と適合して生活してますよ。
 合コンに誘われれば行きます。

 だって、それは、大学の友達付き合いの一つだから。
 あ、別に、嫌々、って訳じゃありません。
 話すのは好きだし、飲み会っていう雰囲気も好きだし。
 女の子とも、普通には仲良く出来ます。

 そして、性懲りもなく、野球部に所属してたりします。
 うん、だって、やっぱり、野球好きだし、運動してるのっていいんだもん。
 他のスポーツもあるけど、チームプレイっていいですね。
 まあ、俺は、選手じゃないけど。

 大学ライフとは別に、やっぱり、オトコとの出会いを求めて、そういう店には通ってます。
 んで、そこで、見た事のある顔を見つけてしまいました。
 こういう店で、ではなくて、大学で。
 学科は違うけど、確か、幾つか、一般教養の科目がダブってるはず。
 思い当たる範囲では、初修外国語のドイツ語と、基礎物理・化学実験が同じだった気がする。
 そんで、一緒の教室の時で、俺が、合コンに誘われてた時に、声を掛けて素気無く断られた記憶が。

 声を掛けようかと思ったんだけど、生憎(あいにく)、男連れだったんで、あえなく撃沈。
 結構、好みだったんだけどなぁ。
 向こうは、俺に気付いてなかったみたい。
 でも、あいつも、ゲイだったんだ。
 連れのオトコは恋人なのかな。
 くそぉ、いいな。

 そんで、ちょこっと、そいつに興味を持った。
 意識して、大学の一般教養の授業で、探してみると、他にも、二つほど、クラスが重なってた。
 んでも、あいつが、大学で誰かと一緒にいるところを見た事がない。
 食事とかも、一人で摂ってるっぽい。
 そこは、俺の性分で、何となく、話し掛けずにはいられなかった。
 いや、本気(マジ)で下心とかなくて。

「ねえ、確か、ドイツ語とかで、一緒のクラスだったよな。飯、一人で寂しくない? 向こうで、俺らと、一緒に食べない?」
「一人で良いよ。大勢でいるのって、あんまり好きじゃないんだ。」
「友達とか居ないの?」
「居なかったら、何か、不味い事でもあるの?」

 えっと、俺には、それがどういう感覚なのかわかりませんでした。
 ただ、俺の『お友達にならない?』っていうお誘いは、断られたようで。

「ええっと、それでも、人間付き合いって、必要じゃないの?」
「別に友達である必要ないだろ。バイトではちゃんと、人間付き合いしてるよ。」
「それって、表面的にじゃないの?」
「それで、十分だろ。表面上、潤滑にしてれば、問題ない。」

 まあ、確かにそうだけど、やっぱりなんか、寂しくないのかな。
 俺だったら、寂しいんだけどな。
 でも、無理強いする事も出来ないからな。
 それでも、ちょっと興味あって聞いてみた。

「もしかして、恋人さえいれば良いとか思ってる?」
「は? 何で、そんな話になるんだ。それに、大体、恋人なんていない。そんな風に、人付き合い出来ない。」

 ええっと、これは、事実なんでしょうか。
 あの晩の、あの相手は、恋人ではないと受け取っていいんでしょか。
 そうすると、もしかしたら、俺にも機会(チャンス)があったりするんでしょうか。

「あのさ……」
「まだ他にも何か? それより俺に構ってていいのか? お前の友達、向こうで待ってるんじゃないのか?」
「あ、いっけねぇ。えっと、取りあえず、俺、菅野雅弘(すがのまさひろ)って言います。んじゃまた。」

 もっと、話してみたい事はあったけど、友達を待たせる事も出来なくて、名乗るだけ名乗って引き上げました。
 向こうの、名前、聞き忘れた。
 ま、また今度の機会で良いか。

 あ、別に恋人になる機会(チャンス)とか狙ってたわけではないけど、興味が湧いてきちゃったんです。
 だって、あんまり、俺の、誘い断ってくる人間って居なかったから。
 もちろん、友達、って事でね。

 そんな風にして、決まった相手を望みながら、あのオトコの事も気にしつつ、その場なりの関係をそれなりに楽しんでる俺であります。
 あ、でも、店に顔を出すと、何となく、あのオトコの事を探すようになりました。
 俺が行く時に、いつもいるはずもなく、たまに見かけたと思ったら、他のオトコに先を越されてたりするんです。

 何人か相手を見かけたけど、それぞれ違うようです。
 やっぱ、その場限りの、お遊びの関係なんでしょうか。
 別にそれをとやかく言うつもりはありません、だって、俺だって同じようなものだから。

 大学は大学で、捕まえようと思っても、授業が終わると、教室からすぐ去っていってしまうので、中々、話しかける機会がないのです。
 だからまだ、彼の名前を知らないんです。
 何とか、去る間際に少し強引にでもいいから、捕まえることが出来ないでしょうかね。
 今、そのタイミングを窺っているところです。

 えっと、俺が、同年代のオトコがいいな、と思うのは、感覚や話しが合いそうで、良いなと思ったからです。
 けれど、どうやら、彼とは、そういうのは無理そうな気がします。
 寧ろ、年が離れてても、他に出会った事のある男の中の方で、気は合いそうな相手がいました。
 年齢なんて、関係ないのかもしれないな、と思い始めたけど、それでも、彼の事が気になるのです。

 同じ大学にいて、幾つか、クラスが同じなのに、何故、こうも話をする機会が巡ってこないのでしょうね。
 興味を持ってみても、彼とは合わないって事なんでしょうか。
 例え、合わなかったとしても、話をしてみたいんです。
 問題が山積みでもいいんです。

 俺は、持久力と耐久力には自信がありますから。
 伊達(だて)に、何年も、野球部を続けてきているわけではありません。
 あの白球を追うように、なんて、ロマンティックな事を思っている訳でもありません。
 全然、ロマンティックじゃないって? まあ、それはそれで良いじゃないですか。

 兎に角、俺は、エンジョイ・ライフを求めているんです。
 友達関係をエンジョイしてます。
 野球もエンジョイしてます。
 あ、そういえば、大学に入って独り暮らしを始めて、それもエンジョイしてます。

 オトコは……取り敢えず、セックスだけエンジョイしてます。

 今は、そんなところでしょうか。

 そして、彼と話す機会を虎視眈々(こしたんたん)と狙ってたりします。
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