暴走書家

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『白香桜乱-4-』

 新しい家で新生活を僕と彼女は向かえる。
 それなりの必需品、家具などは、彼女の実家から、見てわかるのだが、値の張るものが用意されていた。
 衣服や、日用雑貨に関しては、それぞれが持ち込んだが。

 一応は、新婚初夜、な訳だが、その時、彼女からはっきりと言われた。
 僕の事は好きだけれど、子供を作る気はないし、その為でも、その為でなくても、性的交渉を持つ気は無いと。
 それが不満なら、他の女性を探せばいいし、そっちの方が良ければ、今からでも、そっちを選べばいいと。

 子供に関しては、僕自身、それ程積極的に欲しいとは思わなかったし、彼女が望まないのに、彼女との間に、性的交渉を、そう、直接的な性的交渉を強いる気はなかった。
 それでも、彼女が好きだし、彼女は、僕が、誰か他の女性と、性的交渉を持つ事になっても、気にしないのだろう。
 しかし、僕は、それだけの為に、他の女性を探す気にはならなかったし、おおよそは、わかっていて、僕は彼女を選んだのだ。

 僕が、彼女に対して、性的欲求を起こさなかったか、と言うとそうではない。
 彼女を、実際に抱く日は来ないのだろうけれど、僕にとっては、彼女は、それでも十分魅力的だったし、性的衝動として、ペニスが勃起するのを抑える事は出来なかった。

 初めて会ってから、生活を始めても、彼女はやはり殆ど無表情だったし、それでも、ほんの時折向けられる微笑が、僕を魅了していた。
 彼女の裸体を知らないわけではないが、僕は、彼女のショーケースに入っている、白いワンピース姿の方が、好きだったし、その姿を、脳裏のうりに浮かべながら、自慰行為にふけっていた。

 一緒に生活していて、もし彼女が、こんな僕の姿を見たらどう思うだろう。
 絶対的とは言えないけれど、ほぼかなりの確率で、見つからないように行為を行うのは可能だったが、僕はそうしなかった。
 彼女に見つけられる日を、どこかで望んでいたのだろう。
 彼女は、浅ましいとののしるだろうか、不潔だとののしるだろうか、さげすむような目で僕を見るだろうか。
 それはそれでいいような気がしたが、彼女は、そうしないだろうと僕は思っていた。

 そして、実際、彼女に見つかった。
 夜に寝室で、僕と彼女のベッドは、少し間を置いて、個別におかれているのだが、彼女が入浴している最中に、僕は、自慰行為に及ぼうとしていた。
 その途中で、彼女が、部屋へやってきた。もう、寝る、と言うこともあって、彼女は、白いレースのネグリジェを身にまとっていた。

 彼女は、いつもと別段表情を変える事なく、自らのベッドに腰を下ろし、僕のほうを見ている。
 僕の、射精は、いつになく、早かった気がする。
 そして、一度射精して再び、ペニスが勃起してくるのがわかった。
 彼女に……見られている。
 そんな僕を見て、彼女は『ふふふ。面白いものね。男性の性器というのも。見ていて差し上げるから、そのまま続けてくださらない?』そう言って、微笑み、僕は、彼女の言葉に促されるまま、ペニスに手を這わせた。

 一度、射精しているけれども、彼女の視線にさらされて、僕は、さっきよりも興奮していると感じていた。
 『ねえ、もう少し、足を広げてくださらない? その方が、よく見えるでしょう』そういった彼女に対して、僕は、彼女の方を向いて、両足を広げ、下肢を露にして、ペニスを扱きたてていく。
 『……ん…達く……』
 『あら、駄目よ。もう終わりなの? つまらないわ。もう少し、楽しみたいでしょう?』
 僕は、達してしまいそうになりながら、射精を必死でこらえ、手を動かし続ける。
 ペニスの先端から、先走りが溢れ、その液体が僕が、ペニスを扱く手を潤滑じゅんかつにしていく。
 彼女は、ただ、見守っているだけだし、粘液が絡まり扱く時の僅かな音と、僕の、早まった呼吸の音が、その静寂の中を支配していた。

 放ってしまわないように我慢しながら、それでも、射精を追い立てるように手を動かし続け、やがて、込み上げている射精感に堪える事が出来ず、それまでの自慰行為の内で感じた事の無い、快感の中で吐精していた。

 『今まで、一人でしてたのね。でも、これからは、私の前でなさい。勝手に、一人でしては、駄目よ。』
 本来なら、一人で性的欲求を収める為に、行う行為だが、その時から、僕にとって、そうではなくなった。
 例え、彼女と交わる事がなくても、彼女の目の前で行う事によって、得られる快楽を知ってしまったから。

 そして……。

 『口付けてもいいですか?』
 そう伺った僕に対して、彼女は、僕の目を見て『ええ。』と返答した。
 僕は、彼女に歩み寄って、長い黒髪の毛先に唇を押し当て、入浴時に、洗ったのであろう、リンスの香りを嗅いだ。
 それから、彼女の足元にひざまずき、爪先に口付けた。
 それが、僕と彼女の、一つの関係の始まり。
 その為の、誓約せいやく
 僕が、彼女の唇に触れなかったのは、その方が、相応ふさわしいと思ったから。

 日常的に、大きく変わったことはない。
 結婚して、実家を出たけれど、仕事自体が変わるわけではない。
 籍としては、彼女が、僕の籍に入った事になっている。
 家事は……基本的に、それまで、僕も彼女もしてこなかった。
 けれど、彼女の為に、料理をする事を覚えた。
 朝食と夕食はそう。
 僕がいない、昼間、彼女はどうしているか。
 きっと何も食べていないと思う。
 僕が、どうしても仕事で遅くなって、食事を作れない時も。

 洗濯機は、割と好きみたいだ。
 クリーニングに出すものが多いのだが、家で洗えるもの、下着や、僕の普段着、タオル。
 全自動式の洗濯機だから、洗いや濯ぎは全部やってくれるのだが、それ以外は、彼女がやっている。
 それらは、いつも、綺麗に折り畳まれて、箪笥たんすの中にしまわれている。

 彼女は、『退屈しのぎ』にやっている、と言った株だが、かなり本格的にやっているみたいだ。
 元手が、実家から与えられた資金だからなのだろう。
 そう言ってのけるのは。
 僕と結婚してから、僕の会社の株式を購入しているし、その他、もう一つ、割と安定している、僕も知っている会社の株式も持っているようだが、その他の物は、僕には詳しくはわからないが、所謂いわゆる、ハイリスク・ハイリターンなものだ。
 具体的にどれくらいかは知らないが、それで、かなり収益を上げているから、その才能があったのだろう。
 それでも、彼女は、大きな損をしても、対して気にも留めないのだろうと思う。

 僕は、結婚するに当たって、彼女の大方の事は知っている。
 それが、彼女を形作っているのだし、僕は、そんな彼女に同情したのではなく、会っている内に、知っていく内に、ああ、だからそうなのだ、と何となく納得いく部分があった。
 奥深くまで彼女の心情はわからないが、それでも、彼女が興味を持ったのは、他の誰でもなく、僕なのであり、その彼女の持てる興味や、好意の範囲内で、僕は、彼女の傍にいられたら良いと思っている。

 彼女の、人間関係の希薄さもそうなのだろう。
 どれくらいの人間が、彼女とどんな関係にしろ親しくしているのだろう。
 恐らく、片手の指で足りてしまうのではないだろうか。


 そんな彼女に、惹かれて、僕は深みに嵌っていくのだが。
 だが僕は、この事に関して、後悔はしない。
 それは、僕自身も望んでいる事だから。

 今はまだ知らない。
 ただ、彼女の微笑みに包まれて、自らのペニスに手を這わせる。
 果たしてこれを、単なる自慰行為、と呼ぶのだろうか。
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