暴走書家

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『この瞬間を永遠に-3-』

 起き上がると、ちょうど昼前で、昼食を食べに出かけて、ついでにレンタル屋に行った。
 結構人気シリーズだったので、もしや、もう、貸し出されてないか心配だったけど、何とか、シリーズもののⅠとⅡを借りる事が出来た。
 その先もあるんだけど、あんまり沢山観るとやっぱり目が疲れるからね。
 昔、深夜に3本連続で観た時は、面白かったんだけど、眼精疲労からかずきずきと目の奥、というか、頭が痛かった。
 時間配分的にも、2本くらいが妥当だろう。

 この作品は、テレビでもコマーシャルをしてて、その時から目をつけていた。
 けど、実際、一人で映画館に行くのも何となくもったいないし、レンタルだと格安で済むから、どうしても、レンタル落ちをしてくれた方が嬉しい。
 こういう系統の映画を恋人と観るのはどうかと思うけど、琢磨は本人が言ってる通り、恋愛系の物だと絶対寝る。
 俺自身も特別好きな訳じゃないしね。
 じゃあ、琢磨が、ホラー物が好きかというとそうではない。
 嫌いでもないらしいけど、ホラーの中でも、サイコ系とスプラッタ系は何とかいけるらしい。
 俺は、ホラーは全般的に観るんだけどね。
 だから、付き合い始めて、いろんな映画を観たけど、琢磨に受け入れてもらえたのは、その種類だけ。
 付き合い始めた当初、恋人なら、絶対恋愛系でしょ!と思ってた、俺達は馬鹿でした。
 そもそも、男女の恋愛になんて興味ないし、女を男に置き換えてみても、なんか違うんだよね。

 映画類を全般的に全く観ない琢磨を何とかその2種類だけでも、洗脳出来たのは俺の勝ち。
 でも、映画って、過剰に宣伝されると、その分期待してしまうから、もしかしたら、何も知らずに観たら面白かったのかもしれないけど、そうじゃなかったら、ちょっと落胆させられる気分になる事もある。
 でも、この映画は面白かった。

 あれ……?
 ちょっと琢磨、様子がおかしい?
 こういう系統の映画は普通に観るのにな。

「琢磨……? 何か、大丈夫?」
「え? あ。2本も続けて観たからかな? 疲れたのかも。ちょっと、吐き気と頭痛が。薬飲んでくるよ。」
「ああ。うん。ごめん。疲れてるところ、無理させちゃって。」
「いや、大丈夫だって。結構面白かったよ。続きあるんだろう? 観てみたいな。」
「良かった。面白いって言ってもらえて。そんな、薬なんて常備してるの?」
「疲れから、神経に来ることもあるからね。一応、ある程度は、処方してもらって、常備してるの。えっと……確か、ロキソニンとナウゼリンがあったはず。」

 薬を服用して30分くらい経過すると、効いてきたらしく、何とか落ち着いてるみたい。
 本当に、さっきのちょっとした違和感が嘘なくらい普通にしている。

「そろそろ晩飯の時間か。ホルモン焼き、食いに行くだろ?」
 やっぱそうきたか。
「琢磨も、いい趣味してるよね。」
「章吾だって嫌いじゃないだろ?」
「だけど、大丈夫のなの? 吐き気あったんだろ? そんなこってりしたもの食べて。」
「大丈夫だって。どうせ、疲れからきてるんだから、しっかり栄養つけないと。低カロリーで、高たんぱく。野菜もちゃんと出てくるし、健康的だろ? また、明日からハードだしね。」

 まあ、実際、俺も、琢磨もいい神経してる。
 ああいう映画を観ておいて、こういうものを平気で食べてるんだから。
 琢磨にすれば、内蔵なんて、見慣れてる訳で、そんな事言ってたら、焼肉にだって行けない。

 そうして、夕食を堪能して、琢磨の家に戻った。
「章吾、もう帰る?」
「え? まだ、時間いいだろ? 琢磨も、寝るにしたら早いんじゃない?」
「そうだけど。」
「何? 何か、しなきゃいけない事あった?」
「いや、特には。ちゃんと、洗濯も済ませたしな。」
「じゃあ、いいだろ? 折角、一緒にいられるんだしさ……。」

 そうして、琢磨をベッドに誘った。
 琢磨も、俺にちゃんと答えてきてくれている。
 その愛撫を受けながら、今度、いつ会えるだろう、という期待と不安。
 それでも、今、こうしている事に胸を躍らせて。

「ん……ぅん……あ……」
 その指が、俺の期待を刺激していく。
 その期待が叶えられる事を俺は知っているから。

 アナルに挿入されたペニスを感じながらその充足感を味わっていた。
 抽挿されて、前立腺を擦り上げられて、イきたくて、イきたくて、その快感は止まらなくって、でも、もったいないからまだ、イきたくなくて。
 
 エアコンは十分に効いている筈なのに、二人のカラダは火照っている。
 そうして、にじみ出る汗は不快ではない。
 寧ろ、それさえ心地良いいと感じている。

 際限なく求め合うわけにもいかなくて。
 お互い、精を解き放つ。
「あ!あ…はぁ!ッッッ!」

 動きが止まると、カラダにへばりついた汗に、エアコンの風が当たって冷やされていく。
「このままいたら、風邪引くぞ。シャワー行こう。」
「うん。そうだね。」
「……ッ。悪い、先行っててくれ。」
「? どうかした?」
「いや、なんでもない。俺も、すぐ行くから。」
「うん。風呂も溜めとくよ。」
「ああ。ありがとう。」

 こうして、なんでもないような、些細な幸せを感じていられるのが、嬉しい。
 シャワーで汗を流して、湯船にはられた湯に浸かる。
 程なくして、琢磨もやって来て、一緒に風呂に浸かっている。

「こうやって、しっかり湯船に浸かって、癒されてると、日本人で良かったって思うよね。」
「そうだな。外国にはあまりそういう習慣はないからな。」
「……琢磨、ちょっと具合悪くない?」
「疲れてるだけだって。ちゃんと寝て、休養とるから。」
「うん。ならいいんだけど、あんまり無理し過ぎないでよ。」
「ああ。どっちにしろ、出来る範囲の事しか出来ないからな。」

 それはわかってる。
 でも、それでも、ギリギリまで頑張ってしまうところがあるから心配なんだ。
 そして、それくらいの職業意識がないと、ちゃんとやっていけない事。
 そういうしっかりしたところがやっぱり好きなんだなぁ。
 
「無理はしなくっていいからさ、空いてる時は連絡頂戴。会えても、会えなくってもいいし。一緒に食事するだけでもいいし。」
「ああ、出来るだけそうする。」

 本当は、無理をしてでも会って欲しいと思ってしまう。
 でも、やっぱりそれは出来ないから。
 お互いの社会での立場があって、おおっぴらにゲイだという事は出来なくとも、二人の間では嘘はない。
 恋人として、男女の間なら、当たり前に出来ることが出来なくってもどかしくても、それはそれで仕方がない。
 それは、自分がゲイである事を偽るよりも辛い事だから。

 電話ででも良いから、ほんの少しでも声を聞きたい。
 その声の向こうに、存在を確かめたいから。
 始終じゃなくて良い、会えない時間が多くても、その声を確かめたい。
 こう言う時、電話って便利だね。

「じゃあ、俺、帰るから。」
「ああ、またな。」

 再会を約束した挨拶。
 今度、また会えるから。
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