暴走書家

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『共犯者-9-』

 まだ何か不安があるのか、俺を頼ってきたそのコを自宅へと誘った。
 普段なら、誰かを自宅に自らの意思で上げる事はないのに。
 始めから下心があった訳ではない。
 雫さんにそそのかされたからだとか、そんな言い訳は出来なかった。

 俺は、そのコに何を見ていたのだろうか。
 先輩が抱いているそこコに先輩を重ねていたのだろうか。
 始めはそんな気分だった。
 だから、俺が先輩に抱かれていたベッドに誘って、その上でそのコを抱いた。
 でも実際俺が抱いたのは、先輩ではなく、まぎれもなくそのコ以外の何物でもなかった。
 そのコは何を考えて俺に抱かれているのだろうか。

 誘ったのは俺、そしてその誘いに乗って来たのはそのコ。
亮一(りょういち)先輩に振り回されてばっかりじゃ嫌でしょ? 振り回される先輩の顔も見てみたくない? 先輩の知らないところでさ、秘密を作っちゃおうよ。俺と昭人(あきと)くん、二人でさ。」
 そうして、カラダを重ねた。

 そのコの事を知った時は憎いと思った。
 だからイジワルする気でいっぱいだったし、そう思ってたから、そのコが先輩の傍にいるのに耐えられた。
 だけど、今は違うと思う。
 確かに先輩という契機(きっかけ)があったからだけど、そのコ自身に興味があった。

 関わっていく内に、俺の先輩への想いも少しずつ変わっていた。

 もし先輩が、この事を知ったらどう思うだろうか?
 秘密だと言ったけれど、口に出してしまいたくなる。
 本当は見てみたいのかもしれない。
 先輩があわてる顔を、怒った顔を。
 もしそうだとしたら、そんな顔をさせているのは俺なのだろうか? そのコなのだろうか?

 先輩を好きだと気付いて、でも、好きになっても仕方のない人だと思っていたから。
 それが、辛くて仕方がなかった。
 そんな先輩を変えたこのコ。
 それが今、俺の腕の中にいる……。

「嫌だった?」
 そんなに無理矢理ヤったつもりはないけどな。
 複雑そうな顔をしている。
「……やっぱり、亮一さんの事まだ好きなんですか?」
「どうだろうね。今は、それよりも君に興味がある。君こそどうしたの? 先輩と何かあったの?」
「別にそうじゃないんですけど、亮一さんはああいう人だけど、何となく、直哉さんはトクベツだって気がするんですよ。それでやっぱり気になって……。」
「『トクベツ』、ねえ。まあ、『友人』とかいって君に紹介しちゃうくらいだから。でも、もう、今更、先輩と俺が、どうこうなるって事はないから。」

「はあ……。じゃあ、なんで、こんな事したんですか?」
「だから、言ったじゃん、君の事の方が気になるって。君こそなんで、俺とシたの?」
「う……それは……」
「もしかして、俺の事気に入ってくれてる?」
「ええ……あ…気になるのは気になりますけど、その……」
 うーん。何か危なっかしいなぁ。このコも先輩の事心配なんだろうけど、こういうところって、先輩は心配なんじゃないのかな。
 想いが通じ合っているはずなのに、中々上手くいかないっていうのもあるんだな。

「俺の事、気にしてくれるのは嬉しいな。今回みたいな相談でもいつでも歓迎するよ。」

「え……あ、あの……」

「2人で、秘密な楽しい事しようよ。」
「バレたらどうするんですか……。」
「どうなるだろうね。俺は、先輩に怒られるかもしれないけど、先輩は、君の事捨てたりしないと思うよ。」
「直哉さんは怒られても平気なんですか?」
「怒られたい訳じゃないけど、ちょっと見てみたいね。先輩のあわてたところ。」
「それは……ちょっと見てみたいかも。」
「ね? ね? そうでしょ? だからこれからもっと仲良くしようね。」
 ちゅっと唇にキスをした。
 あー、何か可愛らしい。

「俺にサれてどうだった? 先輩とはやっぱり違った?」
「~~~なんて事聞くんですか!」
「んー、そういうとこも可愛いな。」
「オトコに可愛いなんて言わないでください。」
「見た目じゃなくてさ、反応が可愛らしいの。」
「だから、それ、止めてください。」

「そんな事言われたら、もっとシたくなっちゃったよ。」
「え? え? ちょっと……直哉さん。」
「ダメ、ダメもう聞かない。1回シちゃったんだから、2回も3回も同じ。」
「……違いますって!」
「でも、昭人くんもその気になってるよ?」
 布越しにペニスをかたどっていく。
「んん……ダ……メ……」
「ダメ、じゃないでしょ?」
 ホックをはずし、ジッパーをおろして、硬くなりかけているペニスを取り出し、舐めあげていく。

「あ……は……はぁ……。」
 脈打ち、硬度を増していくペニスを愛撫する。
「そんなにしたら……も……。」
「ちょっと待ってね。」
 ズボンを引きおろし、完全に下半身を露にする。
「大丈夫でしょ? ココ。」
 指先でアナルの入り口に触れた。
「んん……」
「大丈夫だよ。酷くするつもりなんてないから。やっぱり秘密は甘い蜜の味の方がいいでしょ?」
「直哉さん……。」
 ローションを十分垂らしたアナルに指を挿入する。
 指で十分に解しておいてから、ペニスをアナルにあてがった。
「昭人くん、力抜いて……痛いのは嫌でしょ?」
「う…ん…はぁ……」

 頃合を見計らって挿入していく。
「く…んん……あ…ああ……」
「ん……イイよ……昭人くんのココ……。」
 ゆっくりと揺すりあげていく。
 甘い誘惑と、そのコの声が俺の脳内を犯す。

「あ…ダ…メ…そんなにしたら…も……イきそう……」
「うん。イイよ、昭人くん。俺も……もう……。」
 そうして、手でそのコのペニスを追い立てて。
 その熱を解放させたのと同時に俺も放っていた。

「大丈夫? 昭人くん?」
「う……直哉さん2回もスるんだもん。」
「でも、ヨかったでしょ?」
「うう……イジワルだ……。」

「もうちょっと、ゆっくりしていきなね。」
「うん……。」
「ねえ、昭人くん、このベッドね、亮一先輩も使ってたんだよ。」
「え……。」

「あ、想像した? 俺と先輩の事?」
「いや、あの……。」
「もうこんな時刻だしさ、泊まっていきなよ。」
「でも、明日朝から大学だし……。」
「起こしてあげるから大丈夫。それに今日は、もう何もシないし。」
「『今日は』ですか?」
「うん。『今日は』」
「……。」
「残念?」
「!!!!そんな訳っ!」
「そんな、一生懸命否定しなくっても。」
「直哉さんの事、好きだけど、そういう意味で好きな訳じゃないですよ?」
「うん? わかってるよ。昭人くんが好きなのは亮一先輩でしょ?」
「う……直哉さんはどうなんですか?」
「俺? 俺は……どうなんだろうね。」

 本当にどうなんだろうね、俺は。
 俺が、このコとセックスしたのも、雫さんとセックスしたのも全然よくわからない。同じセックスをするんでも、スタンスが全然違うし。
 どうでもいい人間とするセックスともまた違う。
 不思議なものだ。

 普段は、行かない日は、雫さんに連絡は取らないんだけど、何となく電話を掛けた。
「雫さん、例のコが来てるから、今日は行かない。」
「あ、そうなんだ。修羅場にならないように頑張ってね。」
 何だかなー、雫さんはきっと俺がヤってる事に気付いてるんだろうな。

 そのコが寝っ転がっているベッドへ狭いながらも身を寄せて滑り込んだ。
 今まで、怖くて独りで眠ることが出来なかったベッド。
 確かに今も独りじゃなくて、でも、隣にいるのは先輩ではなくて、そのコで、なのに俺は安心して眠ることが出来た。
 もしかしたら、もう、独りでも平気なのかもしれない。

 朝、そのコが出て行く間際に声をかけた。
「また、俺のところに遊びにおいでよ。」
 そのコは答えなかった。
 でもまた、近い内に連絡しよう。

 その毒はとても甘美なものだから。
 死なない程度に味わってみたいじゃない?


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