暴走書家

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『星降る言葉-6-』

 取り敢えず、今入っている連続ドラマの収録が佳境を向かえ、忙しい日々を過ごしている。
 その為、成澤と会う事は出来なかったが、仕事は充実していた。
 今回のドラマの中で、出会いと、すれ違い等の様々な波乱、そして、一時の決別を経て、最終的には、2人の男女は結ばれた。

 降りしきる雨の中で、傘を投げ出して、お互いのカラダを抱きしめあう。
 雨に濡れるのにもかまわず、お互い涙を流しながら口付けを交わし、ふっと微笑み、見つめあう。
 それで、エンド。

 このドラマは終了したけれど、この後、二人の未来には何が待ち受けているのだろうか。
 ドラマの内容自体にも、波乱はあるが、それは、この物語上、構成されたもの。
 逆に波乱も何にもないドラマは、ドラマとして面白くはない。

 人間が、生きていく上で、恋愛していく上で、多かれ少なかれ波乱はつきものだ。
 だから、ドラマで最終的に結ばれた2人だけれど、これから先が順風満帆、という訳もないだろう。
 それでも、2人はそれなりに過ごしていくかもしれない。
 もしかしたら、また些細な事からすれ違い、別れてしまうかもしれない。

 2人の努力次第で、どうにかなる事もあれば、どうにもならない事もある。
 それは、恋愛だけではなくて、他の事にもいえる事。
 ただ、恋愛は、2人の思いが通じ合わなければ叶わないけれども。

 そういえば、少し昔、母親に尋ねた事がある。
 もし、父親が、浮気をしたらどうするか、と。
 「そうねえ」と少し考え、「もしかしたら刺し殺しちゃうかも」と冗談めいて言っていた。
 その場合、父親をか、浮気相手をか尋ねたら、「浮気相手を」と答えた。
 何故か、と問うと、そっちの方が、父親のダメージが大きいだろうから、そう言った。
 その後、「やあね、全部冗談よ」と笑われたが。
 別れるとか、そういう考えはないのか、と尋ねると、「別に、別れるような理由でもないし」と、今度は真面目に答えてきた。
 では、別れるような理由っていうのは何か、と問うと、今のところ特に思いつく事はないし、別れようと思った事もない、と言われた。

 別の機会に、同じように父親に、母親が浮気をしたらどうするか、と尋ねた。
 父親は、母親が、そんな事をする筈がないだろう、と言ってきた。
 どうしてそんなことが言えるのか、と問うと、そんな事をする暇があるなら、もっと別の事をしているだろう、という答えが返ってきた。

 この母親にして、この父親。
 この2人は、それで、馬があっているのだろう。
 何となく、社会通念的な感覚から逸脱していると思う。
 そんな親だから、今はまだ話してはいないけれど、俺が、ゲイだと打ち明けても、受け入れてくれそうな気はしている。

 ドラマの打ち上げも終わり、次の映画の出演も控えているから、少しだけ、暇が出来た。
 その空いた時間を利用して、久々に成澤の家へ向かった。
 昼間から出向こうと思っていたが、昼間は、今は家を空けているから、と結局夕方過ぎになった。

 夕食をどうするのかと尋ねたら、出前をとる、と言ってきた。
 自炊をしないのかと聞いたが、一応はするけれど、他人に出せるようなものは、作れない、と言われた。
 別にそれでも構わないのだけれど、成澤がそう言うのだから仕方がない。

 俺は、両親の家に暮らしているけれど、一人で食事をする事の方が多い。
 朝も、起きる時間が、それぞれまちまちなので、トーストするように一応パンと、即席で出来るスープの準備は揃っているが、席を共にする機会は少なく、例え、一緒になったとしても、自分の分は、自分で用意をする。
 昼と夜は、大概外で摂ることが多い。

「成澤さんは、今は、もう、今回の映画の脚本は終わられているのでしょう? 何か、他に、書いていらっしゃる事でもあるんですか?」
「いえ、思いついたことをメモに取る事くらいはありますが、映画の脚本に集中していますよ。一応仕上がったとはいえ、読み返したりしています。」
「家にいらっしゃる事が多いんですか?」
「書く時は、家にこもりますが、気晴らしに喫茶店に行ってみたりします。それ以外は、本当にカラダを使わないので、今日みたいに、ジムに通ったりしてますね。」
「ジム、よく行かれるんですか?」
「そうですね。何とか時間を作って、週に4回くらいは。でないと、本当にカラダが鈍ってしまいますので。」

「ああ……それで。脚本家だっていうから、何となく、細そうな方をイメージしていたんですが、初めてお会いした時、結構、がっちりした方だったんで、少し驚きました。学生時代は、スポーツとかされていたんですか?」
「小学校の時、学校で、少年野球のチームがありましたからね。決して、上手くはないんですが、高校までずっと続けてましたね。」
「その合間に本とか読まれてたんですか?」
「ええ。中学も、高校も、それ程、部活が遅くなりませんでしたから、家に帰ってからは、部屋に篭って、本を読んだり、何か書いたりしていましたね。でも、川島さんも、ご自身でアクションシーンをされるくらいですから、スポーツ経験は、おありなのでしょう?」

「俺は、学校の運動系の部活には入ってませんでしたが、体育教室へ。部活は、演劇をしていました。」
「もう、その頃からずっと、演劇を?」
「そうですね。でも、中学の時は、遊び半分だった気がします。高校に進んでからは、本格的にスクールの方に通うようになってしまいましたし。成澤さんは、小説を読んでいらっしゃって、書くのも好きで、小説の方の道に進もうとは、思われなかったのですか?」
「取り敢えず、想像して書くのが好きで、あまり、意識はしてなかったのですよ。書く事で、飯を食べていこうとは。」

「小説だと、微妙な情景描写とか、登場人物の外観とか、どれだけ書いても、最終的には、読者のイメージに任せることになるんですよ。読む人全てが、それに拘る訳ではないと思いますが。そういう意味でフィールドは広いと思います。」
「読者が勝手に描く、イメージの世界、ですか。」
「この登場人物が、こういう人だったら良いのに、とか、こういう風に話してくれたら良いのに、とか、それを想像するのは、それで楽しいんです。でも、それを、実際に、表現する事が出来るのなら、そういうものを創ってみるのもまた面白いだろうと。」

「どっちが難しいのでしょう。小説を書くのと、脚本を書くのと。」
「一概には、言えませんね。その人それぞれでしょう。同じように物語を創り上げるのでも、違いますからね。受け取る側も、楽しみ方が、それぞれ違うのではないでしょうか。」

「売れている小説が、映像化されるものもありますよね。」
「あれもまあ、賛否両論ですね。純粋に小説が好きで、自分のイメージを創り上げる人は、それが、具現化されて、そのイメージを壊されてしまう場合もあります。でも、小説を読まない人の中では、売れている作品なら、面白いのではないかと、それを観て、実際に面白かったから、じゃあ、原作を読んでみようか、という人もいますからね。」
「イメージを壊すのは、演者が悪いんでしょうかね。」
「そうとも言えないでしょう。人にはそれぞれ好みというものがありますから。例え、どんなに演技が上手くって、有名な俳優を使ったところで、それが当てはまるとは限りません。」

「私自身なら、好きな小説だったら、観ないでしょうね。逆のパターンだったら、好きな映画やドラマが小説化されたなら、読んでみたいとは思いますが。」
「その場合だったら、もう、イメージは出来上がっている訳ですよね。」
「そう、もう実際、具現化されたものを、どう文章で表現しているか、そこには興味はありますね。」
「俺は、あんまり、本とか読んできた経験がないんで。映画やドラマなら観てきましたが。」
「でも、もし、川島さんが、本を読まれるのなら、私とは、全く違う視点で読まれるでしょうね。あなた自身だったら、こう演じるだろう、とか。」
「そういうものでしょうかね。」
「さあ。本当のところはわかりませんが。」

 俺が、どういう役を、どう演じるか。
 そして、俺は、どういう俳優になっていきたいのか。
 俳優として生き残る為に。
 例え両親の名前があったとしても、俺が、俺自身として、認められるようになるのには。
 そして同時に、両親の名を汚すような俳優で終わりたくない。

「俺は、覚悟を決めた筈なのに、やはり、まだ、迷っています。」
「迷う? 何にですか?」
「何にでしょう。どうやって、これから生きていくのか、とか。」
「それは、仕方がないのではありませんか? 迷い、悩みながらそうやって、少しでも成長しようとしているのでしょうから。苦しい事かもしれません。それでも、それを糧として、生きるしかないでしょう。生きる限り、それが尽きる事はありません。絶対的な自信なんて、ないと思います。それでも、私は、今回の映画に、賭けています。」
「賭ける……ですか。それは、監督も仰ってました。俺も、この話を頂いた時、俳優として、演じてみたいと思いました。俺に、それだけの力量があるかわかりませんけれど。」
「それでももし、失敗しても、諦める気はないでしょう? これからの人生を。勿論、成功する事を願っていますが。」

「成澤さんは、不安にはならないんですか?」
「勿論なりますよ。根が小心者ですから。不安で不安で仕方がない。常に最悪の結果を考えてしまいます。」
「そうは見えませんけれど。」
「それを見破られたくなくって、必死ですから。」
「そうですよね。弱音を簡単に吐く事なんて出来ませんから。」
「どこかで、吐き出す場所も、あったほうがいいんですけどね。それに押しつぶされないように。強がって生きている人間ほど。」

 弱音を吐き出せる場所。
 それを、曝け出せる場所。
 それでいて、必要なプライドを崩さずに済む場所。

 今ここで、成澤に色々話せるのは、成澤が、俺に何となくそれを許してくれているからのように思う。

「そういえば、俺、昨日で、ドラマの打ち上げが終わったんですよ。」
「ああ、あのドラマですか。お疲れ様です。」
「だから、久し振りに少し余裕を持って成澤さんの家に来られたんです。」
「ですから、昼間、と仰ってたんですね。すみません、そこまで気が回らなくって。」
「いえ。俺の勝手な都合で、成澤さんのご迷惑になりたくなかったですから。」
「そんな、迷惑だなんて。」
「でも、ジムに行かれるのは、日課みたいなものなのでしょう。ですから、成澤さんも、成澤さんのご都合を優先してくださった方が、嬉しいです。俺ばっかり、都合を押し付けてしまってるようでは嫌ですから。」
「私は、本当に何かを犠牲にしている訳でもありませんし、迷惑だなんて思った事はありませんよ。」
「成澤さんが優しいから、ついつい、甘えさせていただいちゃって。」
「川島さんにそんな風に仰っていただけるなんて。」

「では、ついでに、もう少し甘えさせていただいてもよろしいですか?」
「え、ええ。なんでしょう。」
「ドラマも終わったし、ゆっくり出来るんです。それに、久し振りですし……」
「川島さん……」
「先に、シャワーお借りしますね。」
「ええ。はい。」

 久し振りに味わう口付けは、以前とは変わりがなくて、成澤のその感触を覚えている。
 絡み合った舌も、唾液の味も。
 舌を甘噛みして、吸い上げた時に漏れる吐息も。

「ん……ふ……」

 それから、その肌の感触も。
 しっかりと鍛えられているその張り詰めた筋肉。
そ して、その敏感な場所。

 肌に舌を這わせ、時折、強く吸い上げる。
 乳首を摘み上げ、立ち上がった突起を指で、舌で、歯で味わう。

「……ぁ……ん……」

 お互いの勃ち上がり始めたペニスを擦り合わせ、手を伸ばすと、そこに成澤が手を重ねてきた。
 そして、一緒に、ペニスに刺激を与える。
 その手の中で、次第に、硬さを持ち始めているのがわかる。
 ペニスが十分勃起してから、成澤のアナルにローションの滑りを借り指を挿入させていく。
 十分に解してから、俺は、ゴムを装着し、ペニスを埋めていく。

「…ふ……く……はぁ……」

 奥まで挿入しきって、成澤のカラダのこわばりが取れるのを待ち、抽挿を開始する。
 始めはゆっくりと、次第に大胆に。
 最奥まで穿ちながら、お互いにその快感を享受している。

「あぁ……ん……ふ……ん……」

 前立腺を擦りあげながら、抽挿を繰り返し、ペニスにも刺激を与えて、射精へと導く。

 そして、二人とも、絶頂を向かえた。

 それからまた、ついばむように繰り返される口付け。
 夜はまだまだこれからだ。

 再び、表れる欲望の兆し。
 そして、今度は、成澤のペニスを、アナルに受け入れて。

 先程とは違った場所で、でも、やはり感じられる場所で、二度目の絶頂を求めて、与え合った。

 成澤が、もし、俺のくつろげる場所を作ってくれるなら、俺も、成澤に同じようにそういう存在でありたい。
 まだ、始まっていないけれど、俺達の映画が、成功しますように。
 そして、次の機会へと、繋がっていきますように。



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