暴走書家

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『問題の問題-8-(完)』

 佐原の話は途中だったんですけど、佐原も、俺との関係に、特別である事を感じてくれていたようで、いつもとは少し違った佐原の言葉が聞けて我慢出来なくなってしまって、そのまま、セックスに突入してしまった俺達でありました。

 で、結局、その日は、それ以上は話をせず、お別れしました。
 だって、その時はその時で、十分すぎる事が聞けたから、一気にそんなに話をしなくっても、いいかな、って思ったから。
 俺がそんなんだったから、佐原からも、それ以上、話をする事はありませんでした。
 でも、何となく、まだ佐原には、俺に言っておきたい事があったみたい。
 けど、また次会う機会で良いよね、だって少しずつじゃないと、俺の頭、本当に破裂(パンク)しちゃいそうだもん。

 そんでもって、次に会う機会だけど、俺の方が、ちょっと忙しくって、3週間くらい経ってしまった。
 佐原との事も勿論、大切だけど、友達の事も放ってはおけないからね。
 バイトとか、合コンとか、色々付き合いが入ってしまってたから。
 あ、後、大学の授業のレポートとかに追われてた訳で。

 そこら辺は、佐原も、わかってくれてると思う。
 佐原も、バイト忙しいだろうし、もし仮に、休みの時があったとしても、一人で退屈しないで過ごす術を知っているから。
 俺と居るのが、苦じゃないって言ってたけど、俺と居なくっても、別に苦じゃないんだろう。
 そういう佐原を、薄情だとは思わないし、佐原が佐原なりに自分の時を、大切に過ごせていたら良いと思う。

 それは、俺が、俺の時を楽しんで過ごしているのと同じだと思うから。
 だから、俺も、佐原に対して、薄情な訳じゃないよ。
 自分で言うのもなんだけど。
 バイトに関して言えば、佐原の方が圧倒的に忙しい訳で、だから、いつも、佐原に対して、次に会う機会について、メールでお伺いを立てる。

 今にして思えば、佐原は、どんな気分で、メールを待っていたんだろう。
 佐原の都合が良い時にメールをしてくれば良いんだと思うけど、それは絶対にない。
 まあ、元々、俺が誘った訳だから、俺から、誘うのが当たり前みたいな感じだけど、その当たり前さが俺達の規則(ルール)になってしまったのかもしれないし、佐原は、自分から、声を掛ける事が苦手なんだとも思う。

 佐原から、誘って欲しいな、とかも思うけど、苦手な事を強要してもしょうがないし、結局は、どっちから声を掛けようと、都合が合わなければ駄目な訳で、それなら、俺から誘った方が、良いんだろうな。
 だって、俺、佐原に関してだけじゃなくって、誰かに声を掛けるのとか、好きだから。
 だから、その方が、俺達にとって、自然な流れなのかな。

 んで、3週間ぶりに会う訳です。
 その時、別に佐原に何か変化があったわけじゃなくて、まあ、あったとしても、表情変わらないから、わからないんだけど、俺の家に行くまで、特に変わったこととはなく、いつも通り。
 そんでもって、俺から、話し掛けたほうが佐原も話しやすいんだろうな、と思って、俺から尋ねたのです。

「この前、佐原、途中まで何か言いかけてたみたいだったけど、俺が区切っちゃったから、話せなかっただろ? 何を言おうとしてたの?」
「ああ。セックスを楽しくてしてる訳じゃない。って言った事だよな。初めて会った頃。」
「そうだね、そんな事言ってたね。でも、俺、佐原とセックスしてて、佐原が、俺と、嫌々してる訳じゃないと思ってたけど。」
「菅野、お前との事じゃない。こういう事、態々、生し返して話す必要があるのかどうかわからない。でも、やっぱり、菅野にはちゃんと言っておきたいと思って。」

「何を?」
「一番初めからそうだったわけじゃないけど、俺は、金を介さずにセックスして来なかった。」
「え……じゃあ、それって……。」
「お前も、一応は知ってるだろ、そう言う仕事あるの。金がそれほど不足してたわけじゃないけど、出来るだけ、余裕持っておきたかったから、俺は、カテキョや塾講が終わった後に、そっちのバイトもやってた。つい最近まで。楽しくはないけど、仕事だと思えば、苦じゃなかった。最初に言っただろ? タチでもネコでもいいって。どっちも出来た方が、客層も広がるし。」

「最近までって……。でも、カテキョや塾講だけでも、大変だっただろ? その上、それ以外にまだバイトしてて、しかも、俺と会う時間作って、そしたらお前、本当に休む時間なんてないじゃないか。」
「何だよ、お前、そっちの心配する訳? 確かに、お前は『お試し』で付き合う、とか言ってたけど、俺は、それでも、他の男と、セックスしてたんだぜ?」
「う……それは……もちろん、嫌だけど……でも、元々、束縛しないって言ったの俺だし……」

「ああ、だから、俺も、勝手なのはわかってたけど、続けてた。お前とこんなに続くとは思ってもみなかったし。」
「でも、やっぱり、佐原が、無理してたのが心配。」
「本当に、この後に及んで、そっちの方の心配する訳? 俺は、別に無理してた訳じゃないよ。で、お前は、それを知って、俺と、付き合ってく気になれる訳?」
「え、でも、もう止めたんだろ? 何で止めたのかわからないし、佐原が、話さなければ話さなかったで、俺は、知る事はなかっただろうし、そうすると、俺は、佐原との関係を止めたいとかは全然思ってないし。」

「でも、実際、知った訳だろ。」
「それは、そうだけど……」
「だから、これを機に、菅野に切られても仕方ないと思ってる。」
「佐原は、切りたいの? だから、こんな話するの?」
「そういう訳じゃない。俺がやってる事は、全部矛盾してるのも身勝手なのも承知の上だ。」

 矛盾? 矛盾してるの?
 何がなんだろう。
 佐原って、そういうところしっかり考えてやってそうなのに。

「俺は、佐原が、話してくれた事の方が嬉しいよ? それって、佐原が、俺の事、少しでも、ちゃんと考えてくれてるって事でしょ? もしそうなら、俺は、佐原の事、諦めたくない。」
「……ウリを止めたのは、俺は、俺なりに、菅野と向かい合ってみたかったから。本当は、話す気はなかったけど。宮下先生に言われた。俺が、今まで、引いていた、テリトリーのラインを、菅野に対して、一歩近づけようとしてるって。でも、結局、話してしまった時点で、俺は、菅野に切られるかもしれないから、矛盾してるんだ。」

 それは、菅野が、俺に対して、ココロを少しでも広く開いてくれているって事でしょうか。
 他の誰にも、踏み込ませなかったラインを、俺ならば、少し踏み込んでも良いって事でしょうか。

「佐原が、俺の事、特別だと思ってくれてるって、受け取っても良いの?」
「そうだな。前に、宮下先生の事を特別だって言ったけど、それとは、全然違う。宮下先生とは、ゲイホストやってるときに事務所で、偶然顔を合わせたんだ。先生は別に、買いに来た訳じゃなくて、事務所のオーナーと知り合いで、事務所にお土産、とか言って、色々、物置いてっただけ。噂の事もあるし、ああいう場所に顔を出すのって、不味いんじゃないか、って聞いたことあるけど、ゲイなのは、事実だし、先生自身の事は、別にばれても問題ないって言ってた。ただ、やっぱり、噂の事は、寧ろ相手に対して気を使ってるみたい。俺の事も、踏み込んでくるわけじゃないけど、出来るだけ距離を置いてくれて、余計気に掛けてくれてる。俺が人間関係苦手だってわかってるから、必要な時にさり気に手を伸ばしてくれる。まあ、色んな意味で、先輩、って感じかな。」

 誰にも頼ることが出来なかった佐原にとって、初めて、身近に感じられるオトナなんだろうな。
 本来なら、家族とか友達とか、学校とかで学んでいく事なんだろうけど。
 佐原にはその機会がなかったから。

「佐原にさ、『お試し』って言ったけど、あれは、佐原に対してだけじゃなくって、俺にとってもそうだったんだと思う。だって、付き合ってみたって、本当に長く続くかは、俺もわかってなかったから。もしかしたら、普通に付き合っててもある程度は『お試し』みたいな部分はあるような気がする。でも、そろそろ、『お試し』って言うのを、少し進展させてみてもいいような気がするんだけど、そう思ってるのは、俺だけなのかな。」

 『取り敢えず』とか『何となく』とか『お試しで』とか、名付けなかったとしても、そうやって、始まっていくんじゃないかな。
 だって、例えば、ルックスが好みでも、気が合っても、付き合ってみて、何かしらの面で合わなかったりして別れたり、若しくは、合わない部分を、合わない部分で理解し合って、関係を続けたりするんだろうから。

「俺は、確かに、菅野に対して、特別な部分を色々感じて、他人では絶対許さない部分を受け入れられると思うけど、それでも、どうしても、犯して欲しくないテリトリーがあるんだ。」
「そういうのって、誰にでも、どんなに親しい相手に対してでもあるんじゃないの? 俺は、佐原が、今、俺に許してくれている部分があれば、それで良いよ。それに、多分、それを、犯してしまったら、佐原は佐原じゃなくなってしまうだろうし。俺とは全く違う、そういう佐原の部分って好きだし。」

「菅野の、そう言う許容量の広さには敵わないよ。」

「誰にでも、どこまでも許すわけじゃないよ。でも、そうだなぁ、一つお近づきになれた証拠に、下の名前で呼んでくれない? ねえ、雄治。」
「ああ、雅弘。」

 それから、自然と唇をどちらからともなく重ねあった。
 そして、触れ合うだけだった唇と唇が、それだけでは物足りなくて、次第に深くなっていく。
 舌で、口腔内を探りあい、絡み合った舌と唾液が、尾を引き、唇を離して、見つめあう。

「取り合えず、今日は、どうしたい?」
「そうだな。まずは、雄治のが欲しいな。」

 そう、取りあえずは取り合えず。
 だって、それだけじゃないから。

 佐原の愛撫に身を任せ、その感覚を肌で味わう。
 ちょっと、商売柄、こういうのを身に付けたかと思うと癪なんだけど、やっぱり、気持ちが良いのは良いからなぁ。

 片方の乳首を指で弄られて、勃ち上がった所を、更に、舌で舐められて転がされ、甘噛みされる。
そして、もう片方も同様に。

「…ん……ぁ……」

 ズボンの上からペニスを、揉んで擦り上げられ、硬く勃起していく。
 それから、ズボンと下着を脱がされて、直にペニスに触れられて、扱かれる。

「は……ぁ…あ……」

 俺も、お返しに、佐原のペニスを露にし、亀頭の感じる部分に舌を強く押し当てて、唇で強めに挟んで、深く口に含んでいく。
 唇を窄めてそこで、扱くようにその行為を繰り返す。

「…ふ……ぅ……ん……」

 完全に勃起したペニスから、唾液と、先走りを拭うかのように先端を舐めてから口を離す。
 佐原が、再び、俺のペニスを扱きながら、ローションを付けて指をアナルに挿入してくる。

 指で解されたアナルに、ゴムを着けたペニスが、押し当てられ、それを、受け入れていく。
 抽挿されながら、内壁を擦り上げられ、快感が込み上げてくる。

「ぁあ……は……んん……あっ……」

 その快感に、先走りが溢れ、突き上げられながら、そのペニスを扱かれると、もうたまらなくって。
 それを我慢する必要なんかないのもわかってる。

「……あ……はぁ……あぁ……!イ…く!」

 俺が、射精した中で、佐原も、達していた。

 重なり合うカラダの体温を感じながら、少し安らいで、再び、お互いのカラダを求めていく。
 俺が、それだけじゃ、満足しないのを、佐原は知っていて、それを受け止めてくれるから。

 佐原の肌を指先で、舌で味わって、愛撫していく。
 その刺激が、快感として、ペニスに繋がっていく。
 俺のペニスも、勃起していて、お互いのペニスをお互いの手で扱き合う。

 それから、佐原のアナルに挿入していって、その締め付けのきつさを味わいながら、抽挿を繰り返す。
 佐原も、それにちゃんと感じているようで。
 そして、再度、絶頂を迎えた。

 んで、その後なのですが、一応、『お試し』期間が一段落した訳で。
 そんでもって、新たな『お試し』期間に突入するのです。

 友達に、『恋人』が居るのか? と聞かれたら、イエスと答えるかもしれません。
 でも、実際のところ、ちょっとやっぱり違うような気がするのです。
 それでも、これからも、佐原が、俺の隣に居て、俺も、佐原の隣に居ると思います。

 隣って言っても、すぐ傍に寄り添って、って訳じゃないですよ。
 でも、何なんでしょうね、隣に居るような気がするのです。

 人生、問題は、山積みです。
 一つクリアしたと思っても、新たな問題に遭遇したりする訳です。
 それも、一つだけじゃなくって、その問題の中にも問題が潜んでいるんです。
 だけどね、それでいいんです。
 俺達は、その問題に頭を悩ませながら生きていくんだから。


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コメントコメント


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お試しのお試し、そんな感じで人間関係は成り立っていくのかもしれない。

お互いが少しでも、相手の立場にたち、、、。

次のお試しへ進んで行くのも見てみたいです。

問題の問題の問題があるのかもしれないけど。

まー | URL | 2009年01月31日(Sat)14:55 [EDIT]


 
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