暴走書家

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『問題の問題-5-』

 取り敢えず、勢いで『お試し』期間に突入してしまった訳ですけれど、日常生活にそれ程大きな変化はありません。
 佐原は、相変わらず、大学で殆どクラスの人間と話をする事もないし、俺も大学で佐原に声を掛ける事はなくなりました。
 勿論、佐原から話し掛けてくる事もありません。

 俺が佐原に言われた事、友達関係について、ちょっと考えてみたけれど、考えるだけ無駄なような気がしてきました。
 まあ、でも、何となく、相手の事をよく見るようになりました。
 わかってなかった訳じゃないけど、やっぱり、それぞれ、皆、違う人間なんだな、と改めて感じました。

 その上で、親友ってなんだろう? とか考えてみました。
 色んな人と友達付き合いするけど、その中でも、特に仲が良い人間っていうのは、それ程多くはありません。
 大学の中でもそうだけど、小学校、中学校、高校と経てきて、今でも、連絡を取ったり懐かしい、と言いながら、遊びに行ったりするのも限られた人です。

 そういう長い付き合いがある人は、大体の事を知ってるつもりだし、向こうも、俺の事を大体わかってるんだと思います。
 大体、っていうのは、やっぱり、完全にわかる事は出来ないからです。
 俺は、やった事がありませんが、軽い悩み事とか、愚痴とか、打ち明けられるのも、俺の事を、信頼してるから、俺が、それを受け入れるのをわかっているか、若しくは、ただ聞いて欲しいだけなのでしょう。

 俺が、そういう事を口にしないのは、別に何も悩んでいないからではありません。
 そんなに、お気楽な人間じゃありませんよ。
 自己消化してるんだと思います。
 取り立てて、口にする程の事でもないな、と思う事もあります。
 んでもって、そういう付き合いのある相手にも、俺がゲイだって事は、ずっと言えずにいます。

 仲の良い友達でも、俺の事をある程度わかってくれている人でも、やっぱり、打ち明けた時の反応は怖いです。
 自分がゲイである事に、特に悩んだ事はないけれど、それを、友達が受け入れてくれるかどうかというのはわかりません。
 もし仮に、カミングアウトして、拒絶され、友達で無くなったら、それはそれで仕方がないのかもしれません。
 ただ、どういう機会に、どういった話の流れで打ち明けたらいいのか、それもまた問題なのです。

 それ以上に、親にカミングアウトするのは、もっと怖いです。
 こういう言い方をしたら失礼かもしれませんが、友達はいくらでも居るけど、親はそうではないのです。
 そして、友達と俺、親と俺の関係は、同じではなのです。

 ゲイの友人とそう言う話をしてみた事はあるけれど、人それぞれみたいです。
 佐原と『お試し』だけど、付き合うようになって、他の男とはセックスしなくなったけど、やっぱり、そう言う会話をするのは、そう言う人達が集まる場所にたまに行ったりします。
 そこにはそこの友達が居て、普通の友達とするような会話もすれば、お互いゲイだとわかっているから、出来る会話もします。

 でも、佐原はどうなんだろう。
 所謂(いわゆる)、普通の友達とするような会話はおいておいて、  自分がゲイである事、そういった事を、佐原はどう感じているんでしょうか。

 佐原は、メールはいつでも構わない、と言ったけれど、俺自身、元々、そんなに自分からメールをする方じゃありません。
 送られてきたメールには返信しますけど。
 それと、佐原にメールをするのは、イコール、セックスがしたい、みたいな感じになってしまうのが嫌なんです。
 そりゃ、勿論、セックスしたいのは事実です。

 けど、それだけじゃ、嫌なんです。
 でも、そうすると、それ以外に、何をするのか、と問われても、困ってしまう訳です。
 まあ、だからって、メールしない訳じゃないんですけどね。

 佐原からの返信を期待するな、と言われてたけど、俺が、それ程頻繁にメールをしない所為か、大体、どんな内容でも、返信されてきます。
 送信してすぐに返って来る訳ではないけれど。
 お断りのメールも、ちゃんと送ってくれます。

 週に1回か、少なくとも2週に1回は、会えてます。
 これって、割と、凄いんじゃないんでしょうか。
 だって、あの佐原が、これだけ、俺の為に時間を割いてくれてる訳ですよ。

 大体、晩飯を大学からは離れた所で食べて、俺の家に行って、何かしら会話をして、セックスをして、っていうパターンなんですけど。
 セックスは、勿論そうだけど、佐原と話すのは、割と楽しいんです。
 佐原から何かを話し出す事はないけど、俺が、話を振ると、それにちゃんと答えてくれるんです。
 気の利く様な事は話さない、そういうけど、逆に、気を使われるより、何倍も嬉しかったりします。

 そんな感じで、今日は、また佐原と会えたりするんです。
 外で食事を摂るっていっても、そんなにお金は掛けません。
 贅沢なんて言ってられないじゃないですか。
 安くて、ある程度量があればOKです。

 んで、俺の家に行って、おくつろぎタイムに入る訳です。

「佐原ってさ、大体どれ位、バイト入れてるの?」
「ほぼ毎日。」
「そんなに入れて、大丈夫なの?」
「今のところ何ともないよ。年取ったらどうなるかわからないけど、まだ若い内は、多少無理がきく。」
「でも、ほら、人と接する訳だろ? 気疲れとかしないの?」
「仕事だと思えば、割とコントロール出来るよ。」

「コントロールって、どうするの?」
「仕事相手、例えば、カテキョウ先の生徒とか、塾講先の生徒とかは、かなり遠いところにその存在をおくからね。菅野なら、自然と懐かれそうだけど。」
「懐かれてる……って言うのかな。実際、俺も、カテキョウやってるけど、全然関係ない話とかされるよ。勿論、勉強も教えるけどさ。」
「だろ? 相手からすれば、菅野は話し掛け易いんだよ。受験って、もちろん成績もそうだけど、それ以外にも悩む事ってあるだろ? そういう話とか、乗ってくれそうだもんな。」

 それは、確かにそうだ。
 実際、大学に行ってみてどうだとか、その先はどうしようだとか、まあ、色々。
 じゃあ、自分の時はどうだったんだろう、と考えてみると、大学進学の時は、あんまり悩まなかったよな。
 医学部に行く、っていうのはもう決めてたし、どこの大学を目指すかも、自分の成績を見て、いくつかピックアップして選んだからな。

「俺は、あんまり悩まなかったけど、例え悩んだとしても、誰かに相談してたと思う。でも、佐原は、そういう事しないんだろ?」
「そうだな。相談する、とかはなから、そういう考えないからな。勿論、相手もいないし。」
「親とかは?」
「あんまり話する環境じゃなかったからな。昔も、今も。」
「ふーん。俺も、別に相談した訳じゃないけど、大学受かった、って言ったら、親が、親戚中に報告してたよ。」
「はは。ありがちだな。」

 佐原の親は、そういう事って気にしないんだろうか。
 何となく、込み入ってそうだし、あんまり触れていい部分じゃないだろうな。

「佐原、バイト忙しいんだろ? 会えるのは嬉しいけど、本当に、無理してないよな?」
「俺は、ちゃんと、自分自身の管理は、気を付けてるよ。だから、無理な時は、ちゃんと断ってるだろ。それに、前も言ったと思うけど、菅野は、相手との距離の取り方をちゃんとわかってるから、苦にならない。」

 佐原が、きちんと自分の意見を持っているのはわかってる。
 多分、俺よりもずっと。
 その上で、俺と、こうして会ってくれているという事は、ちょっとは自惚(うぬぼ)れてもいいんだろうか。

 そんな感じで、おくつろぎタイムを終了して、ベッドタイムへと移行する。

 唇を重ねられて、口腔内で舌が触れ、絡み合う。
 互いの唾液が交じり合って、今、ここで繋がり合っているのだと、実感する。
 俺は、元々、キス自体好きだったけど、より心地良く感じるのは、相手が佐原だからなのだろうか。

 (うなじ)を撫でていく指先と、それを追いかけるように這っていく舌。
 何度か、カラダを重ねる内に、互いが感じる場所を知っていく。
 そして、その佐原の愛撫が俺の快感を呼び覚ましていく。

「…ぁ……ん……はぁ……ん……」

 乳首を指で刺激されて、舌先で舐められ、少しきつく吸われる。

「ん……ぁ……」

 その欲望の証として、勃起したペニスに触れ、体勢を入れ替えて、お互いのペニスを口に含んでいく。
 そのペニスを手と舌と、そして、口腔内全体で、味わい、扱き上げる。
 佐原の指が、俺のアナルに挿入され、ペニスを受け入れられるように準備が施される。

 そして、硬く勃起した、佐原のペニスが、俺のアナルに挿入される。
 抽挿を開始され、俺が、感じる場所に、感じられるように突き上げてくる。

「…ふ……ん……あ……あぁ……」

 アナルの裡に確かに存在する佐原の逞しいペニスを感じて、より昂ぶっていく俺のカラダ。

「く……ぅ……ん…あ……あっ…!」

 高まってくる射精感を、佐原も、感じ取ったのか、突き上げながら、ペニスを擦り、更に煽る。
 その刺激に、堪らずに射精していた。
 佐原も、達したようだった。

 インターバルをおいて、再び、カラダを重ねる。
 佐原のアナルに俺のペニスを挿入して、再び、絶頂を目指す。
 抽挿を繰り返し、佐原の裡を刺激する。
 そして、お互い、2度目の欲望を解き放った。

 佐原の普段のあまり表情を変えない顔も好きだが、セックスの最中の感じている顔もやはり好きだ。
 普段は、あまり人を寄せ付けない感じで、愛想笑いというのも殆どしない。
 それは、俺の前でも、殆どそうだ。
 まあ、そんな所もイイんだけど。

 で、実は、佐原には内緒で、弓道場に行ってみた事がある。
 弓道着姿の、佐原に2度目惚れしてしまった俺であった。

 佐原が、ある程度、俺に対して、自然体で接してくれているのはわかる。
 その上で、こういう関係にあるのも。
 けれど、やっぱり『お試し』である事には変わりなくて、それがいつか変わるのかどうかもわからなくて。
 もし、変わった時、どうなるのかも想像出来ない。
 どうにもならない問題を抱えながら、『お試し』関係は、続くのです。



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