暴走書家

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『問題の問題-3-』

 中々機会(チャンス)を掴めずにいる俺ですが、行動しなければ、何にも始まらない。
 具体的に、何を始めようとか思ってる訳じゃないんだけど、取り敢えず、このまま落ち着かない状態でいるのは嫌だったのだ。
 相手に無理強いはするつもりはないんだけど、少し、強引に出てみないと駄目かな、なんて事も思ってる。

 で、沢山、友達がいる俺だけど、こういう時って相手になんて話し掛ければ良いんだろう。
 俺って、今まで、どうやって、友達作ってきたのかな。
 そういうのって意識した事ない。
 勿論、始めの契機(きっかけ)って、何かしらあったんだろうけど、『これ』と言えるものってないような気がする。
 それでも、何となく話をするようになって、一緒に飯食ったり、何かしらつるんだりするようになったから。

 どうやったら、不自然がられずに相手に話しかけられるんだろう。
 今まで、考えた事がなかった問題に、頭を悩ませながら、多少、不自然に思われても、話しかけた方が勝ちだよな、このまま、何もせずにいるのは、俺の性分には合わないから。
 そんでもって、同じクラスで授業を受けていて、今日の授業は、これで終了、っていう時に、思い切って声を掛けてみる事にした。
い つも、すぐに教室から去って行ってしまうのを知ってたから、すぐそ後を追いかけて、教室から、出たところで声を掛けた。

「えっと、あの、俺の事、覚えてる?」
「ああ。」

 おお、一応、覚えていてくれてるんじゃん。

「ちょっと、お話してみたいなー、何て思ってるんだけど、駄目かな?」
「何で? 何を話したいの?」
「特に深い理由はないんだけど、理由ないと駄目?」
「そうじゃないが……。」

 そうそう、そうだよね。
 何事にも理由付けが必要な訳じゃないもんね。
 そりゃさ、もちろん、理由が必要な事だってあるよ。
 でも、世の中には、沢山、本当は、理由なんて、大した事なかったり、曖昧だったり、確かな意味付けなんて、必要ないんだ。

「いつも、すぐ帰ってるみたいだけど、もしかして、忙しくて、時間ない?」
「忙しいのは、まあ、それなりに。これからだって、部活行くから、そんなに時間はない。」
「あ、俺も、これから部活だから、そんなに長い時間って訳じゃないんだ。」
「少しだけなら……まあ、いいが、俺と話しても、何も、面白くないと思うぞ。」
「面白い事とか、別に期待してるわけじゃないし、えっと、どこ行こうかな。食堂でもいい?」
「ああ。」

 何とか、第一段階はクリア成功。
 自販機で、缶コーヒーを買って、中央食堂のぽつんと空いてる、端っこの方に席を取った。

「で、何?」
「えっと、取り合えず、名前聞いてもいいかな。」
佐原雄治(さはらゆうじ)。」
「ああ、えっと、俺はね。」
「それは、この前聞いた。」

 え、俺、名前覚えられてたの?
 1回しか名乗った事ないのに。

「あ、そっか、そうだよね。佐原くんはさ……。」
「いちいち、『くん』付けなくっていい。同級生だろ。」
「えっと、じゃあ、佐原は、現役生?」
「ああ。」
「俺も、そうだから、同い年か。」
「そうらしいな。」

「本当に、友達いないの? 昔からそうなの?」
「そうだな。昔から友達出来たことないし、別に作ろうと思った事ともないし。」
「それって、寂しくないの?」
「別に。独りの方が気楽だし、変に気を使う必要もないし。」
「俺、佐原と違って、昔から、友達多いけど、そんなに気を使った事なんてないよ。」

「それは、お前が、そういう性格してるからだろ。俺には無理。その場限りで、友達ごっこしてる奴もいるけど、俺は、そんな事するつもりはないし。群れてなければ、何も出来ない奴は、嫌いなの。」
「え、俺は、そんなつもりで、他人と付き合ってるつもりないよ。」
「別に、俺は、お前の事指して、言ってる訳じゃない。お前は、別に一人でいるのが怖いから、他人とつるんでるわけじゃない。ただ、他人といた方が、楽しいから、そうしてるだけだろ。」

 ううーん、俺ってそうなのかな?
 そういう身になってみた事ないからわからないや。
 そういうところ、深く考えてみた事ないのかな、俺って。

「一人が怖いから、っていうのもしょうがないんじゃないの? 確かに、俺は、一人が怖いわけじゃないし、一人でいる時間も好きだけど、でも、ずっと、一人きりなのは、寂しいような気がするな。」
「友達がいないと駄目、沢山いた方がいい、大概、そうやって、子供頃は教えられるんだよ。だから、それからはみ出すのが怖い人間も出て来る。勿論、仕方ないさ。そういう人間は、お前みたいなタイプの人間を羨ましがる。けど、残念ながら、そういう奴は、羨ましがっても、そうはなれないし、運よく、お前みたいな人間に、声を掛けてもらえないと駄目。何とか勇気を振り絞って、声を掛けて、友達になってもらえれば、万々歳。でも、それを出来ない奴の中で、同じように友達のいない、俺みたいな人間に声をかけて、同類相憐れむ、みたいな付き合いをするのもいる。俺は、それに巻き込まれたくないの。」

 俺みたいなタイプの人間?
 それってどんなのなのかな。
 自分では、中々気付かないものなんだな。
 でも、佐原って、人付き合いとか、人と話するのが嫌い、みたいな感じだったけど、そうでもないのかも。

「佐原って、人付き合い出来ない、とか言ってても、部活にも入ってるんだろ?」
「必要最低限の、人と接する礼儀くらいはわかってるよ。俺の場合は、殆どの関係を、プライベートに持ち込まないし、必要以上に、相手の為に時間を割いたりしない。」
「ふーん。」
「お前には、よくわかんないかもしれないけど、携帯電話が普及して、登録されている友達の数が何人だとか自慢したり、常にメールしたりして、他人と繋がってないと怖い人間っているんだよ。」

「でも、携帯って便利だよ? 必要な時に連絡取ったりできるし。」
「だから、お前には、わからない、って言ったんだよ。依存症になったりもしないだろうし。」
「佐原は、携帯持ってないの? 必要ないから。」
「持ってない……と言いたいところだけど、バイトの連絡とか入るから、仕方なく持ってるよ。」
「持ちたくなさ気だね。」
「出来るなら持ちたくないさ。無かった時代だって、それなりにやっていけてたんだ。それなのに、今は、持ってて当たり前、それが無きゃ、仕事に支障をきたす事もあるんだから。」

 携帯……そういえば、無かった時代もあるんだよな。
 今は、結構、無ければ困るもんな。
 友達とも、メールやりとりしたりするし。
 緊急で連絡が付いた方が良い場合もあるし。

「っと。俺、もうそろそろ行くわ。こんな話してても、面白くないだろ?」
「え、結構、面白かったよ。」
「……変わってんな。お前。じゃあな。」
「あ、佐原って、部活、何してるの?」
「弓道。」
「俺は、野球部。硬式ね。んじゃね。」

 俺って変わってる?
 佐原の方が変わってるんじゃない?
 ところで、『変わってる』って、佐原は俺に対して、どういう印象を持ったのかな。
 褒め言葉……でもないし、別に、貶してる訳でもないし。
 俺は、佐原と少しお近づきになれたんでしょうか?

 その後、特に大学で変わった事は無いけど。
 俺は俺で、友達と一緒にいて、佐原は佐原で一人でいて。
 んでも、佐原と話した事って、今まで誰ともそんな話した事ないよな。
 俺にとっては、ちょこっと佐原が不可思議な世界にいるような気がした。
 その世界を、覗いてみたいって思ってしまったんです、俺は。

 いざ、次の機会(チャンス)を、って思ってたら、今度は、ゲイバーで遭遇してしまったんです。
 その時、俺には、そこで出来た友達と話してたんだけど、佐原が入ってくるのを目撃してしまって、その友達と離れて、佐原に声を掛けました。
 俺に、声を掛けられて、ちょこっと吃驚(びっくり)していたようです。

「……菅野……」
「あ、えっと、実は、何回か、佐原の事、この店で見かけてて、その……。」

 ああ、上手く言葉が見つかりません。

「お前、俺が、ゲイだって事、知ってたんだな。だからか? 大学で声掛けてきたの。」
「えっと、一番初めは知らなかったよ。その後は……知ってたから、っていうのもあるけど、それだけじゃないよ。」
「じゃあ、どういうつもりなんだ。今、声を掛けてきてるのだって。」

 俺自身よくわかりません。
 俺はどうしたいのでしょうか。
 佐原の事をもうちょっとよく知ってみたいと思っているのは事実です。
 じゃあ、俺は、佐原とセックスしたいと思っているんでしょうか?
 この問題は、俺が、解かなければならないんでしょうか。
 そして、答えはあるのでしょうか。
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コメントコメント


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佐原に出してもらうのも有りかな。

大学生の会話、そ~言えば、現役?浪人?から始まる事が多かったです、懐かしい。

まー | URL | 2009年01月18日(Sun)08:25 [EDIT]


 
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